『第9地区』シャルト・コプリー 異色のオスカー候補作を南アフリカの異能の男が語る
あとはタイミングの問題なんじゃないかな。どんなストーリーを希望しているかって?それは内緒だよ(笑)」とはぐらかす。そんな彼だけに、作品がアカデミー賞にノミネートされたことに対しても冷静だ。
「ノミネートされたことには感謝しているけど、大ヒットを記録したことの方が、僕を含めた関係者の今後に影響を与えそうかな。お金を儲けられる映画を作れるかどうかが、ハリウッドでの評価につながるような気がしているから(笑)。ノミネートは嬉しいおまけだと思う」。
少々皮肉交じりにハリウッド分析。アカデミー賞授賞式に出席した感想も、サクセスを遂げたばかりの新人俳優とは異なるものに思える。
「ポジティブな感想とネガティブな感想があるのだけど、とにかく興味深い体験だったのは確かだね。とんでもなくグラマラスで素晴らしい空気が充満していたけど、ちょっとだけ嘘っぽい感じもしたかな(笑)。皆がショウを演じているような、シュールな印象だったよ。ただし、自分と同じ南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンと話せたのは嬉しかったね。監督のニールも南アフリカの人間だし、この作品を彼女がどう捉えてくれたのかを知りたかった。南アフリカに住んだことのある人間にしか分からないような、細かい目配せもいろいろなところに散りばめられているからね。