2022年10月2日 17:00
『戦メリ』から『レヴェナント』『アフター・ヤン』まで坂本龍一が生んだ映画音楽作品7選
茶葉の販売店を営むジェイク、妻のカイラ、中国系の幼い養女ミカは、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしロボットのヤンが突然の故障、そのメモリバンクに保存された映像には、ジェイクの家族に向けられたヤンの温かな眼差しと、ヤンがめぐり合った素性不明の若い女性の姿が記録されていた…。
オリジナル・テーマ曲を坂本さんが作曲、音楽を手掛けたAska Matsumiyaの美しいアレンジに加え、岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』で多くの映画ファンの胸に刻まれた名曲「グライド」をMitskiが歌う新バージョンで甦らせるなど、日本と縁深い側面を多く持つ本作。
小津安二郎の信奉者としても知られる韓国系アメリカ人のコゴナダ監督自身が「アジア人としてのアイデンティティ」をSFの世界観を通して探求するとともに、人間と人工知能のあわいを伏線豊かに描いたことで、静謐な映像と心に響く音楽が観る者を魅了する。監督からオファーを受けた坂本さんは「コゴナダのvideo blogは以前からよく見ていました。それらはとても素晴らしいもので、小津への愛が尋常ではないことがよく伝わります」と感動した様子で、「その点で非常に興味をもっていましたし、一度L.A.でコンサートをした時にお会いしたことがあり、とても好印象を持ちました。