2023年4月2日 13:30
「友情のおかげで彼らは生き抜くことができる」ダルデンヌ兄弟監督『トリとロキタ』インタビュー到着
2度のカンヌ パルム・ドール受賞を誇るベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』。この度、2月末に6年ぶりの来日を果たしたダルデンヌ兄弟のインタビュー映像が到着。本作を手がけたきっかけや、本作に込めた想いなどの制作の裏側を深堀した濃厚なインタビューとなった。
『トリとロキタ』の製作のきっかけについて、ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督は、「保護者を伴わない数百人の移民の子供たちがヨーロッパに渡ってきて消息を絶ち、誰も彼らがどうなったか分からない」という新聞記事を2年前に読んだことだと言い、「消息が分からなくなる理由は、彼らが闇組織に入ったり、売春させられていたり、最悪の場合は殺害されていることもある、ということでした」。
「その記事を読んで、私たちは自分たちが住んでいる国々でこうしたことがあっても、誰もそのことについてそんなに心配をしていないことに、強い憤りを感じました。そこで、このトリとロキタという、保護者のいないふたりの未成年の移民たちの話を“友情”を通して、彼らがいかにこの劣悪な環境で戦いながら生きているのかを描こうと思いました」と明かす。