日米デザイナー対談! 2人のデザイナーは鬼才ホン・サンスの世界をどう切り取ったのか?
これをやるのってすごく労力も時間もかかるので大変だったと思います。これを試したとして、もしNGになったら、その虚しさというのは本当に耐えがたいものがあると思うけど、それでもこのデザインにチャレンジして、形にしたということにうらやましさを感じています。日本でもこういうことができないかな…と思うくらい、素晴らしいと思うし、それはやはり、効率を考えず、それだけの時間と労力を掛けたからこそ生まれたんだと思います。
ブライアン:僕は料理人としても仕事をしていまして、いまの段階で料理人のほうを本業として感じていて、その意味でデザインの仕事はプロでありつつも半分アマチュアのような、すごく中途半端な立場にいるなと感じています。
台所で仕事をする上では、常にいかに効率的な動きで多くの料理を作っていくかということを考えなくてはいけないこともあります。それもあって、失礼かもしれませんが、そんな質問をしてしまいました。
――映画の世界における映画ポスターのデザイナーという仕事の役割について、どのようなことをお考えですか?
ブライアン:先ほどの話とも重なりますが、主演の俳優の顔を大きく見せなくてはならなかったり、クレジットを大きく出さなくてはならないなど、様々な縛りはあるとは思いますが、正直、自分にとってはあまりそれは重要ではなく、大切なのは映画の中からどこをハイライトとして抜き出すか? ということです。