日米デザイナー対談! 2人のデザイナーは鬼才ホン・サンスの世界をどう切り取ったのか?
『逃げた女』日本版ポスター
ブライアン:若林さんと比べると、私はキャリアが短いので、ちょっと厚かましい質問になってしまうかもしれませんが、デザインに捧げる時間や労力と“効率性”についてお聞きしたいです。
どんなに一生懸命、時間をかけてデザインをしたとしても、予算が少ない仕事もありますし、自分が捧げたものが報われるとは限りませんよね? それだけの時間を費やすことに意味があるんだろうか? と考えてしまうことがあります。そういう部分について若林さんはどんなふうに考えて、仕事をされていますか?
若林:僕はどんな作品であっても、それが自分の仕事であることは変わりませんので、予算がある映画か否か? 規模の大きさに関係なく、常に同じスタンスで、効率ということについてもあまり考えません。
僕の生活は仕事が中心で、仕事をする部屋に布団も置いてある状態で、疲れたらそこで寝て、起きてまたパソコンに向かうという生活を送っていて、仕事と日常を切り離してもいません。遊びも仕事の一部という感じです。そういう意味でも“効率”ということを考えることが一切ないんですね。
『逃げた女』のブライアンさんのデザインを見ると、キム・ミニの姿をたくさん散りばめていますよね。