くらし情報『自身の個性を見極め独自の道を進むペ・ドゥナ、「これまで」と「これから」』

2023年8月21日 19:15

自身の個性を見極め独自の道を進むペ・ドゥナ、「これまで」と「これから」

自身の個性を見極め独自の道を進むペ・ドゥナ、「これまで」と「これから」
「センス8」Merie Wallace/Netflix
そんな彼女の最新作で、日本でも8月25日に公開される『あしたの少女』は実際の事件をもとにしたヒューマンドラマだ。高校からの斡旋で大手通信会社の下請けとなるコールセンターで実習を始めた高校生ソヒが顧客からの暴言と厳しいノルマに疲弊し貯水池に身を投げてしまった後、担当刑事であるユジンが事件の背景を調べていく。

ペ・ドゥナ自身もここ数年、韓国社会に生きる10代に対して高い関心を持ってきたということだが、はつらつとした若者の代表だった彼女が歳を重ね、若者を苦境へと追い込んだ大人たちの代表として、社会の構造的な問題に迫っていく姿に感慨を覚える。前作『私の少女』(14)に続いて出演を依頼したチョン・ジュリ監督からは「これまで演じたすべての人物の中で一番、暗くしてほしい」とだけ言われたそうだが、静かな中にも強い意思が感じられる魅力的なキャラクターとなっている。おもしろいことに、ペ・ドゥナは『私の少女』以降、ドラマ「秘密の森」シリーズ(17&20)、『ベイビー・ブローカー』、『あしたの少女』と、警察官役を続けて演じているが、いずれもわかりやすい “正義の味方”ではなく、アウトサイダー的な人物なのが彼女らしい。

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