2010年7月22日 16:13
渡辺謙インタビュー 「50歳になって、“不確かな状態”にあるって楽しいです」
だから、それなりの準備がないと、ギアがローからじゃ間に合わない。そこでレオがみんなを引っ張っていくというのがありました。それで空気圧が高かったんですね」。
ハリウッド作品への出演は本作が7作目。しかも本作ではノーラン監督は脚本執筆の段階から渡辺さんをイメージして書いていたという。渡辺さんも「新しい窓が開いたのかな、という感じはありました」と心中を明かすとおり、着実にかの国での足場を築いているように思える。逆に渡辺さん自身、役へのアプローチや作品に臨む上で自らが変わったと感じるところは?
「僕自身の軸は変わっていないと思います。ただ、俳優というのは“ナマモノ”であり、キャリアを重ね、時間を経る中で、自分が思っている以上にある種の形が確立されがちになる。
自分だけでなく、見ている人が『こういう役ならこういう形』というフレームを作ってしまうことも往々にしてあるんです。ハリウッドの作品に臨む中で、そうした枠を作品が勝手に壊していってくれるというのはあると思います。僕が歩くというよりは、ひとつの作品、役をやることで、また原点に戻ってこられるという。そういう意味でシンプルになった気はします」。
“やらないことに対する恐怖”を置き去りにすること
では、今後についてのイメージは?そう尋ねると、かぶりを振って「全くない」