2024年3月31日 14:00
『落下の解剖学』でも話題、ザンドラ・ヒュラーが「アウシュビッツの隣で暮らす妻」を演じた『関心領域』を語る
ザンドラ・ヒュラー Photo by Arturo HolmesGetty Images
本作でザンドラが演じるヘートヴィヒは、“良妻賢母”というキャラクター。夫の出世を応援し、出張中には家を守る。3人の子どもたちを何不自由なく育て、誰もがうらやむ素敵な庭造りにいそしむ毎日を送っている。アウシュビッツと壁1枚隔てた家で、壁の向こうには関心を向けようとせず日常をただひたすらに過ごしている。
ドイツ人であるザンドラは、「私はこれまでルドルフ・ヘス一家のことを何も知りませんでした。最終的に一家の一部になるという決断をしましたが、それはとても苦しい選択でした」と語る。
「ジョナサン(・グレイザー監督)が家族の住んでいた場所を初めて見せてくれたとき、とても驚きました。アウシュビッツ収容所のこんな近くに住んでいたなんて。そして瞬時に彼らがしなければならないことを理解しました。それは、その事実を忘れて生きていくことです。全員が常に同じ緊張感を持って信頼し合い、“何気ない普通の日常”を描き出す努力をしました」と複雑な役を演じた際のモチベーションを明かしている。
ちなみに『落下の解剖学』では、ザンドラ演じる主人公の飼い犬を演じたメッシがアカデミー賞にも参加し、その名演が高い注目を浴びているが、本作に登場する黒いラブラドールはザンドラの実際の飼い犬という。