【インタビュー】河合優実、過酷な現実を生きた役へのアプローチ「これまでとは違ったものに」
公開を控えた今のお気持ちはいかがですか?
何を言えばいいんだろうというくらい、怖いです。撮影中に自分自身が「つらい」と感じることはあまりなく、ただただ「杏を生きる。自分のところに来たからにはもう大丈夫だよ」という気持ちで臨むことに集中していたのですが、杏として追い込まれるというより彼女のことを映画にして届けることが重くのしかかっている部分があります。正直なところを言うと、どう捉えて自分が表に立ったらいいかまだ全部は整理がついていません。
ただそんななかで、雑誌社で働いている高校の同級生がこの前本作の取材に来てくれて「この映画は絶対届けなきゃいけない」と言ってくれました。そして、こうやってインタビューをしてくださる皆さんの温度感で「ちゃんと受け取ってくれている」とも感じます。私自身も「作ったからには絶対にたくさんの人々に届けなきゃいけない」とは強く思っているので、そのことを自分に言い聞かせ、何とか奮い立たせて頑張って世に送り出そうとはしています。この作品をある種媒介にして、もう少し世の中がよくなっていけばいいなという感覚です。
もうそれしか目指すところはないと思いますし、今まで出演させて頂いた全部の映画にたいしてもそうかもしれません。