くらし情報『『流麻溝十五号』ゼロ・チョウ監督、台湾で初めて女性政治犯を映画で描いた理由』

『流麻溝十五号』ゼロ・チョウ監督、台湾で初めて女性政治犯を映画で描いた理由

ろくに食事を与えられていなかったために体が弱っていた彼女は、担がされた糞便の重さに耐えきれず、地面にぶちまけてしまいました。怒った看守が棒で殴ろうとしたとき、走り出て彼女をかばった囚人がいたそうです。「すみません。彼女はご飯を食べていないから、こんなに疲れ切って、痩せているんです。わざとではありません」と。そして、「殴るなら弱っている彼女ではなく、私を殴って」と言い、糞便をぶちまけてしまった女性を抱きしめたそうです。

これが私の伝えたい真実の女性たちの物語です。弱い者がいれば守る。
女同士の競争心なんて、それほど強くはありません。『流麻溝十五号』は監獄についての話ですが、私がこれまでに撮った映画の中で、一番温かい作品だと思います。

なぜ自分の思想を持つことが罪に?

――最後に、ご苦労も多いと思いますが、映画監督という仕事を楽しんでいらっしゃいますか? イエスでしたら、仕事を楽しむ秘訣を教えてください。

確かに映画監督は苦しい仕事ですが、苦しいながらも楽しんでいます。大学で哲学を学んだため、私にとって何より重要なのは“思想”なのです。なぜ、思想が罪になるのか? なぜ自分の思想を持ったために、捕らえられなくてはいけないのか? 私には絶対に受け入れられません。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.