くらし情報『『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?』

『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?

今ではすっかり民主的なイメージを獲得した台湾。この短期間で、どのようにして台湾は生まれ変わったのだろう?

『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?

その理由を聞くと、チョウ監督は「蒋経国が死んだからです」と即答し、こう続けた。「そしてそのとき、折良く李登輝が副総統でした」

1988年に蒋経国が死去したとき、蒋介石夫人の宋美齢は存命で、台湾にはまだ蒋介石と蒋経国を支持・擁護する人が大勢いた。李登輝の地位は不安定だったが、蒋経国の死にともない総統となったあと、さまざまな政治改革を進めていく。その中の1つが、1996年に実現した台湾初の総統の直接選挙だ。

「もちろんその間、多くの社会運動や政治運動が起こりました。例えば街頭で大勢の民主活動家がデモを行い、抗議の声をあげました。当時の私は大学を卒業したばかりで、政治担当の記者をしており、毎日そうした運動家を取材していました。
幸いだったのは、こういった運動を政府が弾圧しなかったこと。総統が李登輝だったおかげで、私たちは無事に過ごせたのです。ですから、やはり台湾が民主化に向かえたのは、李登輝元総統による貢献が非常に大きかったと思います。また、台湾の国民も声をあげて改革の後押しをした。
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