くらし情報『『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?』

『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?

監督の傑作『バナナパラダイス』でも、ユーモアを交えつつ鮮烈に描かれている。

『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?
■離党・緑島に作られた監獄での暮らし
『流麻溝十五号』で思想犯とされた女性たちが収監されたのは、台東から東へ33キロ、船で50分ほどの位置にある離島・緑島だ。そこには政治犯に強制労働と再教育を科した施設「新生訓導処」と監獄があった。今では「白色恐怖緑島紀念園区」となっており、さまざまな展示や写真、資料などで当時のことを知ることができる。

監獄では、どんな暮らしが強いられていたのか?映画の基となった本「流麻溝十五號:緑島女生分隊及其他(※正しくは、緑は旧字)」によると、収監された女性の政治犯たちは、政治の授業への出席と水くみ・糞便くみのほか、普段は外に出ることを許されず、もちろん男性との接触も禁じられた。時々、来客をもてなすためのパフォーマンス要員としてかり出されたそうだ。


『流麻溝十五号』時代背景を解説―なぜ離島に閉じ込められた彼女たちは日本語を話すのか?
■民主化を推し進めた李登輝の貢献
「この監獄を作らせたのは、蒋介石と息子の蒋経国です。言論の自由を抑圧し、自由に考える権利を奪い、台湾の未来に対する主張を黙らせるためだった」とゼロ・チョウ監督は言う。

戒厳令が解除されたのは1987年、今からほんの30年前のことだ。
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