くらし情報『真摯な演出と演技が浸透する…中村倫也主演「Shrink―精神科医ヨワイ―」の魅力』

真摯な演出と演技が浸透する…中村倫也主演「Shrink―精神科医ヨワイ―」の魅力

「きのう何食べた?」や「大豆田とわ子と三人の元夫」を手掛けた演出・中江和仁と脚本・大山淳子による、決して“お涙頂戴”にしないが静かな救いをしみこませていくバランス感覚も見事で、視聴者も現実味を感じながら物語を追えるのではないか。

そうした志を持つ「Shrink」において、まさに適任といえるのが主演の中村倫也。先述したコメントにも彼の意志が感じられるが、劇中での弱井は「話す速度やトーン」「姿勢や表情」を一切ブラさない。主張せず、しかし揺らがず、患者にとって安心感を抱ける存在であり続けている。かといって機械のように人間味が感じられないわけではなく、穏やかでほっこりさせる部分を持ちながら、プロとして患者の無意識のサインを常にキャッチしようと努め、何があっても「その人の本質」を信じ抜こうとする。

真摯な演出と演技が浸透する…中村倫也主演「Shrink―精神科医ヨワイ―」の魅力
第2話「双極症」より
無味無臭にしたり薄めたりするわけではなく、出力を調整して主演として魅せながらも、人物像に説得力を持たせる――。フィクションとリアリティの最適なバランスを己が芝居によって成立させ、作品の信念を示し続ける中村の静かなる熱演にも、引き続き注目いただきたい。

土曜ドラマ「Shrink―精神科医ヨワイ―」

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