【インタビュー】70年代テレビ番組が舞台のホラー『悪魔と夜ふかし』監督が明かす「より現代性を帯びた作品」
というアイデアを思いつきました。僕たちは2人ともテレビの世界で働いたことがあるので、生放送がどんなもので、いかにストレスフルで、また恐ろしいかを知っています。そのとき、刻々と時間が過ぎてゆくテレビの生中継はサスペンスの物語にふさわしいと思いました。
そこに「スタジオに幽霊が出たら?」「悪魔が大衆にメッセージを伝えるのはどうか?」というアイデアを加え、少しずつ形にしていったのです。脚本を書くのは大変な作業で、時間もかかりましたが、いいアイデアだと思いました。
――ファウンド・フッテージ/フェイク・ドキュメンタリーの形式でストーリーを語ろうと決めたのはなぜですか?
キャメロン:この物語に最もふさわしいと感じたからです。はじめはトークショーの形式を忠実に守るつもりで、プロローグを用意せず、映画の冒頭からいきなり番組を始めていました。しかし脚本を書き進めていくと、プロローグがないために情報や説明を詰め込まなければならず、ストーリーに悪影響を与えることがわかってきた。
そのときに「物語においてベストな選択は?」と考えた結果、ドキュメンタリー形式が最良の解決策だと思ったのです。ストーリーテラーとして多くの可能性を開きつつ、いくつかの情報を隠しておくことでサスペンスを生み出せる。