【インタビュー】70年代テレビ番組が舞台のホラー『悪魔と夜ふかし』監督が明かす「より現代性を帯びた作品」
この形式だからこそできたこともあると思います。
――映画のプロローグで、70年代は「不安と不信、恐れと暴力の時代」だと語られています。現代とのリンクを思わせる要素でもありますが、70年代を選んだのはそうした理由もあったのでしょうか?
コリン:(プロローグの内容と)ここ数年の出来事が、深い関連性にあると感じてもらえることで、この映画はより現代性を帯びた作品になったと思います。
しかし果たして、世界から混乱や悲劇がなくなったと感じられる、あるいは「誰もが仲良しで幸福だ」と思えるような10年間は過去に存在したのか……。これらはいつでも、どこにでも当てはまることであり、時折アメリカで起きていることなのです。
キャメロン:脚本を書き始めたのは2013年ごろで、本格的に執筆を進めたのは、ちょうどドナルド・トランプが政権を取ったころでした。当時はソーシャルメディアが普及し、「誰もが一夜で有名になれる」という考え方が広がった時期でもあった。脚本を書くときは必ず周囲の出来事に影響を受けるので、無意識のうちに、また明白ではない形で、当時の空気が反映された部分もあったかもしれません。
コリン:しかし70年代を選んだのは、そういった理由よりも、作品の題材やテレビ番組の内容に説得力が生まれると感じたからです。