【インタビュー】70年代テレビ番組が舞台のホラー『悪魔と夜ふかし』監督が明かす「より現代性を帯びた作品」
説明過剰なセリフで観客に負担を強いることなく、映画に必要なリズムを作ることができました。
コリン:(フェイク・ドキュメンタリーだと)劇中のトークショーがより直接的でインパクトのあるものになります。ジャックがカメラに向かって話していれば、この映画を劇場で観るのか、あるいは自宅から配信で見るのかは関係ありません。実際にテレビでトークショーやバラエティを見ているのと同じ感覚になれますよね。そのほうが劇的かつ効果的、かつ私たちと皆さん、劇中の観客がジャックとの関係を築きやすくなると考えました。
70年代を選んだのは「説得力が生まれるから」
――テレビ番組の文法でホラー映画を作ることにはどんな難しさがありましたか。
キャメロン:もちろん限界があることはわかっていました。緊張感を高めるために恐ろしい音楽をかけることはできないし、ジャンプスケア(突然の大音量で観客を驚かせる演出)に頼ることも、背後からいきなり人を飛び出させることもできない。
しかし、その限界を最大限に利用することにしたんです。番組のセットは明るく、ほとんどの場面でハッピーなジャズが流れている…そうした要素にひねりを加えたり、覆したりできれば、それは非常に強力な武器になる。