【インタビュー】齊藤工、竹林亮監督への絶対的信頼「商業的作品にはない本質」を生み出すクリエイション
「自分のプリクラは映さないで」や「背中の筋肉がちゃんと映っているところにしてほしい」といった可愛いリクエストも反映しつつ――最後のエピソードの男の子は「自分は恥ずかしいけど、映画にとってはすごくいいよね」と受け止めてくれたのですが、本人が折り合いを付けられる場所という映画のあるべき姿に落ち着けた気がしています。
齊藤:子どもたちの年代にもよりますが、長い間共存して下さったおかげで各々が撮影という装置を理解し出しました。そして後半になると本人たちが「こう切り取ってほしい」と意見を言ってくれるような関係性に昇華されていった点が、傍から観ていて面白かったです。
竹林:「子どもたちが学校から帰ってきたらいる人たち」のような状態でやらせていただきましたが、最初からカメラを意識していなかったということはやはりありませんでした。職員の方も「普段はこんな感じじゃないのに、カッコつけちゃっている」とおっしゃっていましたが、本人がいま人に見せたい姿を切り取るのは、決して嘘ではありません。それもまた、本人の一面ですから。
齊藤工、監督のクリエイションに対する信頼
――乱暴な言い方で恐縮ですが、ある種ホームビデオ的になる可能性もあったなか、本作が「映画」