くらし情報『佐藤浩市インタビュー 50代を迎え「『こんなに小僧なのか?』って焦ってます」』

2010年12月22日 11:21

佐藤浩市インタビュー 50代を迎え「『こんなに小僧なのか?』って焦ってます」

それは『新選組!』(NHK)で芹沢鴨を演じたことにも繋がってくるんだけど…。例えば『土方歳三をやらないか?』という話はこれまでもあったけど、正統的な『忠臣蔵』と同じで僕はそこ(=正統的な『新撰組』)には全く興味がない。だけど芹沢鴨の、己の器を知る哀しさとかそういう部分を演じるのには惹かれる。“埋没感”っていうのかな…」。

では今回演じた寺坂吉右衛門については?大石内蔵助から、志士たちの遺族の今後を託されて“生かされた”吉右衛門という男のどの部分に共感や面白さを抱き、役を作り上げていったのだろうか?
「この男が自分の“生”を感じる瞬間ですね。彼の中で、唯一楽しみにしていたのが、(遺族のために)お金を届けた先々で必ず尋ねられる『なぜあなたは生き残ったのか?』という質問に答えることなんではないか、と。『これはお話せねばなりませんが…』と自分の人生を否定的に語り出すときに、アイロニカルに自分の“生”というものを感じているんだろう、と。それを(観客に)分かってもらう必要はないんだけれど、そういう部分を自分で作っていきながら吉右衛門になっていくわけですね。
それは“共感”というのとは違うかもしれないですが僕なりのやり方なんです」。

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