大森南朋×松嶋菜々子インタビュー 思わずふたりがキュンとした犬の仕草は…?
大森:僕は結婚したことありませんが、「あまりにも自然にいる」というのが僕が想像した夫婦というものだったんです。だから自然にいる、ということを大切にしました。松嶋さんもそういう気配を出してくださっていて。わりと、カメラの前で夫婦然としていられたような…。
松嶋:そうですね。ふたりがそれぞれ自分を持って自立し、互いを尊重している。だから、お互いに合わせることもできるし楽しむこともできる、そういう前設定を自分なりに持って臨みました。(物語の前に)ある程度の夫婦の期間があって、築かれてきたものがあると。
だが、そんなふたりを大きく揺るがす一郎の病が明らかに――。揺れ動き、病との闘いの中で押しつぶされそうになっていくふたり。当然のことながら関係性にも変化が。
大森:やはり、それ(病気)が大前提としてありますから、元々あった夫婦の部分に対し、気持ちのぶれで変わっていく距離感というのは細かく意識しましたね。
松嶋:病気をきっかけに、いままで分かっていたはずの人が思いもよらない反応をするということで衝撃も受けるし、この先の将来にも不安を感じる。そういう気持ちの動きは、長崎監督と細かく話し合って作っていきました。