くらし情報『東京団地ミステリー (5) 500mにも及ぶ団地の知られざる機能とは? ~川口芝園団地』

2014年7月11日 07:00

東京団地ミステリー (5) 500mにも及ぶ団地の知られざる機能とは? ~川口芝園団地

おのずとボリュームのある建築は単機能ではいられなかったというわけだ。

以上の防音壁の川口芝園団地、防火壁の白髭東アパート、軍艦島の集合住宅をぼくは「日本3大防壁団地」と呼びたい。

○とはいえ鉄道にお世話になってた川口芝園団地

さて、川口芝園団地ができる前この場所は何だったのかを調べたら面白いことが分かった。

上の写真は1947年の様子。前出の航空写真と同じ範囲。終戦直後で団地はまだ影も形もなく、なにやら工場っぽいものが建っている。調べたところ、これ1972年に閉鎖した日本車輌製造株式会社の蕨製作所というものだそうだ。つまり、列車の騒音に対抗する団地は、かつて車両を作っていた場所に建っているのだ。


さらに面白いのは団地建設の際の資材搬入の話。

以前も紹介した素晴らしい団地本『いえ 団地 まち――公団住宅設計計画史』(木下庸子 植田 実・ラトルズ・2014年)によれば、まわりの道路が狭すぎて工事用車両の出入りが困難だったため、すぐ脇の鉄道を使ってコンクリート打設用材料を搬入したという。

一見、鉄道に対抗しているように見える川口芝園団地だが、実はすごくお世話になっていたのであった。

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