2014年7月11日 07:00
東京団地ミステリー (5) 500mにも及ぶ団地の知られざる機能とは? ~川口芝園団地
それにしてもこれを知ったときは、団地を防音壁として使っちゃっていいんだ!とぼくもびっくりした。
○日本3大「防壁団地」
団地のその大きさを利用して、住宅以外の機能を持たせるという事例は、本連載第1回目で紹介した白髭東アパートもそうだ。あっちはまさかの防火壁だった。
こういうボリュームを持っている建築に別の機能を持たせるっていうのは、都や公団(現UR)といった公的主体ならではの都市計画だと思う。すてきだ。今話題の新国立競技場も単にスタジアムっていうだけでなくて、巨大さならではのトンチを効かせたらいいのに、と思う。「巨大だから景観的にダメ」じゃなくて「でかい意味があるな!」っていう風にさ。どうも普通の建築は単機能すぎる。
うん、余計なことを言った。
さて、こういう「でかいから壁にしよう」でいうと、もうひとつ日本を代表する団地がある。これだ!
○軍艦島はなんと「防波堤」団地!
みんな大好き軍艦島の集合住宅がそれだ。軍艦島の集合住宅は、日本で最初の鉄筋コンクリート造の団地なのだ。最初のものは1916年完成。そしてこの島の集合住宅群は、なんと防波堤の役割をはたしていたという。最盛期には5000人を越える人びとが住んでいたので、狭い島はきつきつ。