ソロシネマ宅配便 第3回 『仮面病棟』永野芽郁が見せる“時に危なっかしい逸材ぶり”
若い客層も多かった。本作は現役医師の知念実希人氏の本格ミステリー医療サスペンス小説を木村ひさし監督が映画化。
古めかしい療養型病院にピエロの仮面を被ったコンビニ強盗犯が押し入り、自らが逃走中に撃った女子大生の川崎瞳(永野芽郁)の治療を要求して立てこもる。
先輩医師と当直バイトを代わり事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟(坂口健太郎)は、瞳を治療し職員や60人以上の入院患者と監禁され、脱出を試みるうちに、この病院に隠された重大な“秘密”を知ってしまう。果たして速水と瞳は無事に生還することができるのだろうか?
さて、ここからはネタバレ防止のためミステリー部分の仕掛け云々ではなく、原作者の知念氏が脚本にも参加しているので、映画と小説の両方楽しんだ上で「ここは映画の方が原作より良くなっていた!」という箇所を独断と偏見で紹介しようと思う。
まず、映画の舞台となる「田所病院」の佇まいがもう完璧に近い。重く深く古く暗い、ここだけには絶対入院したくないと思わせるロケーション。公式パンフレットによると、北九州市の廃病院内にセットを組み、複数の施設で撮影したとのことだが、よくこんな病院を探したなというまさにイメージ以上の雰囲気だ。