2014年10月23日 13:06
キャリアななめ斬り! (30) 二大臣の辞任から見る、地位の高い人が意識するべきリスク
・他人に「責任をなすりつけている」と思われてはいけない。
・「実は反省していない」と思われてはいけない。
今回の件で小渕氏自身がどこまで関与していたのか、あるいは管理責任のみだったのかは現時点ではまだ分からないが、上記の3つのポイントについて、どのように思っただろうか。辞任をしたからといって自らの責任の全てが許されるわけではないことは当然だが、本件での辞任の決断は、私が想像していたよりも早く、そのことが印象に残った。
○「付け込まれる」隙をつくってはいけない
一方、松島氏の件で私が感じたのは地位のある者は「付け込まれてはいけない」という視点だ。
法務大臣というのは日本の司法行政のトップである。法律に違反し罪を犯した者を、法律に基づいた裁判の結果、死刑に処する場合、死刑執行命令を発する権限と義務を持つ。国を当事者とする訴訟においては、法務大臣が国の代表となる。
また、非常に稀ではあるが、個々の事件の取調べや処分において、検事総長に対して指揮権を発動するという絶大な権力を持つ重職でもある。従って他の大臣ポスト以上に法令順守という点では潔癖でなくてはならない。なぜならば自らの法令順守の姿勢に少しでも疑わしき事実があれば、その一点をもって他人から「付け込まれる」