2014年10月23日 13:06
キャリアななめ斬り! (30) 二大臣の辞任から見る、地位の高い人が意識するべきリスク
可能性があるからだ。他人から「付け込まれる」可能性がある者が国家権力を握っている状態というのは、社会的なリスクが非常に高いといえる。
かつてアメリカにおいて、現職の大統領がホワイトハウス内で女性と「不適切な関係」を持ったと告白したスキャンダルがあった。大統領が引き起こしたスキャンダル自体が望ましいことでないのは当然だが、アメリカ国民に対して説明責任を果たすことで、国家にとって望ましくない勢力や個人によって大統領が「付け込まれる」隙を排除したという面もあると考える。
「付け込まれる」ことのリスクというのは、普段我々が日常生活を送る上では、あまり意識をしないことだが、大統領や現職大臣に限らず、社会的な地位が高い人であればあるほど、より強く意識するべきである。
たかが「うちわ」だが、されど「うちわ」だ。この「うちわ」の一件を国民が知る前に、良からぬ人物や勢力や国家が先に知り得てしまった場合にどのよなリスクがあるかと考えてみれば、大臣職の辞任もしくは、全ての事実を明らかにした上で、国民の審判を仰ぐことは不可避だったと思う。
<著者プロフィール<
片岡英彦
1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。