堅守と芸術的キックに見る、浦和レッズ守護神・西川周作が同居させる氷と炎
「3試合続けて勝てていなかったけど、チームの方向性は全然ネガティブなものになっていなかった。失点しないことが勝利に近づくとみんなで確認していたので、本当にシビれる、楽しい試合でした」。
○胸中に秘めてきた「17」と「2」の意味
新天地レッズに移籍した今シーズン。西川は「17」と「2」という2つの数字を、常に意識してきた。前者はシーズン無失点試合のチーム記録であり、2008年の大分トリニータが22歳の西川とベテラン下川誠吾(現ヴィッセル神戸アカデミーコーチ)の2人を擁して樹立している。
「あのときは僕が途中でけがをして、下川さんと2人で達成した。今年はその数字を目指しながら、チームメイトとの共通意識を高めてきた」。
後者は「『連敗』だけはしない」という誓いだ。
昨年のレッズは最後の3試合をすべて落として優勝争いから6位にまで転落した。泥沼の3連敗で献上した失点は12。守備の再建役を託された自負もある。
今シーズンはここまで6敗を喫しているが、敗戦直後の試合で西川は5度完封している。守護神が零封すれば負けない。実際に黒星後の6試合で5勝1分けを刻んだ軌跡が、優勝へのマジック1を手繰り寄せた。