くらし情報『実現率1%の邦画界にまつわる、映画監督と原作者の本音と諸事情 - 深川栄洋監督×原作・加納朋子』

実現率1%の邦画界にまつわる、映画監督と原作者の本音と諸事情 - 深川栄洋監督×原作・加納朋子

と声をかけて、「どうしてお芝居がこうなったの」「なぜ変化させたの」と彼に問いかけました。

子役として扱わなかったことが、結果的に心くんを追い詰めてしまったと思うんですけど、そんな時に新垣さんが「心、へこんでるんでしょ(笑)」って優しく声をかけると、心くんが涙ぐんでて(笑)。僕は子役を忘れて役者として向き合ってしまっていたんですが、新垣さんはそれを察して気遣ってくださって、それはすごいなぁと。ちゃんとした座長さんでした。

主演だから出演者のトップにいることは当たり前なんですが、みんなに気を配るという役割も果たしつつ、それぞれの役者の体調も含めてちゃんとフォローして見ることもできる役者さん。久代役の波乃久里子さんも「あの人は大きな女優だ」と何度もおっしゃっていました。役者は役者同士で、監督とは分からない関係性があるんだなとあらためて思いました。
――その新垣さんが演じたサヤ。
加納さんは原作と比べてどのように感じましたか。

加納:映画の方が強い女性です。あんな凛とした強さは、すてきだと思います。私の中で新垣さんは、ひたすら可憐な美少女のイメージだったんですが、今回は強い母親像を見せていただいて、意外な一面を見させていただきました。

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