2014年11月25日 11:30
コンピュータビジョンのセカイ - 今そこにあるミライ (82) まだまだ使える人が少ない3D点群処理
○3D点群処理エンジニアの歴史と人口
前回まで紹介した「3D点群処理が実現できる事の多さや利点」ですが、コンピュータビジョン界隈のエンジニアでさえも、「そもそも知らない」「知っていても使いこなせるレベルにはない」方が多いのが現状です。なぜなら、安価なデプスセンサーが登場するまでは3Dコンピュータビジョンとはマイナー技術で、センサーの購入にお金もかかるので、エンジニアや顧客の人口も少ない技術であったのが理由です。従って、Kinect登場以前は3D点群や距離画像を用いた処理のビジネス応用は、限定的なものでした。かつては非常に高額な3Dセンサーしか市場には存在しなかったので、その需要は高額の投資ができる大企業や大学の研究室など限定的で、近年価格帯は下がってきたものの、一般の人の目にはなかなか触れない技術でもありました。
Kinect登場以前から3D点群が活用されていた分野の例としては、建築土木などでの測量や、工場用機械・ロボットの眼としてのマシンビジョン、また医療用の3Dスキャン(MRIやCT)などがあげられると思います。これらの応用先においては、たとえ3Dセンサーが数百万円以上の非常に高価なものであろうと、「製品や広い空間を3Dで広範囲にかつ精密に測ることでメリットが出る分野」