2014年12月26日 07:00
折れない心の作り方を考える - 『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』
本書ではこのような「振り返りの時間」を持つことが、「自分はこれからも今いる『場』にい続けるべきだろうか」という問いかけを発するきっかけになるという点も指摘している。レジリエンスとは理不尽な環境に自分を無理やり適応させるプロセスのことを指すわけではない。「場」(会社員の場合、この「場」とはたいていは"職場"のことを指すだろう)が間違っているというのであれば、「場」を変えることも検討にいれるべきだ。正しい場を選択するところまで含めて「適応」と考えられている点には非常に共感できる。
○逆境やストレスを前向きに捉える第一歩に
「レジリエンス」という考え方で一貫しているのは、本来はネガティブなものでしかない逆境やストレスを、何らかの形で前向きに捉えようとしている点だ。「前向きに」と言葉にして言うのは簡単だが、実際にやってみると困難は多い。それでも、ネガティブな感情から脱するためにはどこかで前向きになる必要がある。本書が、そうやって前向きになるための手助けをしてくれるかもしれない。
日野瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」