2015年1月8日 19:31
トレンドマイクロ、2014年の情報セキュリティ総括と2015年の展望
さらに、これまでは大手銀行が中心であったが、地銀やクレジットカード会社なども標的となっている。被害の拡大をもたらした背景には、不正送金を自動化する攻撃、法人ネットバンキングの電子証明書を窃取する攻撃があるとことだ。
脆弱性を悪用した攻撃も多かった。特に、修正プログラムがリリースされない状況での、ゼロディ攻撃が行われた。さらに注目したいのは、オープンソースを狙った攻撃である。
図3にもあるように、OpenSSLのHeartbleedという脆弱性(通信内容が傍受されてしまう)が.JPドメインで45%確認された。このすべてが同時に攻撃対象とはならなかったが、いかに危険な状態であったかはわかるだろう。また、同じようなオープンソースで、UNIXなどで使われるシェルbashにも脆弱性が発覚した。
さらに、脆弱性が明らかになると、24時間以内に攻撃が行われた。ここでも、標的の多様化が見てとれる。特にオープンソースの場合、公開サーバー、組み込み機器、ストレージデバイスなど、さらに多くが標的になる危険性がある。最後にPOSシステムを狙った攻撃が米国で猛威をふるった。この攻撃は購入の際に使われるクレジットカードがスワイプされる際に、感染した不正プログラムによって、個人情報が攻撃者へ詐取されるというものだ。