くらし情報『『「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか』 - 個性の意味を問いなおす』

2015年1月30日 09:34

『「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか』 - 個性の意味を問いなおす

天文学の研究者は、天体の個性は基本的に初期条件によって決定されることを説明し、個性を理解するためには似ているものとの比較の視点が不可欠であると主張する。「個性」と一言で言っても、研究者の専門領域次第で、注目するポイントが多様なのは面白い。

○個性は「固有性」と「共通性」の関係の中で理解される

このように学問分野によってそれぞれ視点には違いがあるものの、一方ですべての学問に通底するものも見出だせる。それは、個性が「固有性」と「共通性」との関係の中で理解されるということだ。

これは言語学を例にとってみるとわかりやすいかもしれない。言語は、基本的に他人とコミュニケーションをするために使われる記号の体系であるから、おのずから「共通性」が求められる。言語における個性は、この共通性を完全に欠く形では存在しえない。方言や若者言葉など個性を有した言語はたしかに存在するが、あくまでそれは共通性との関係の中で理解される。


この話は他の学問分野や、あるいは現実社会で個性について考える際にもあてはまる。単に「個性的になろう」とだけ思っても、同時に「個性的でない、共通するもの」についても理解していないとそもそもどう個性的なのかわかりようがない。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.