くらし情報『『「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか』 - 個性の意味を問いなおす』

2015年1月30日 09:34

『「個性」はこの世界に本当に必要なものなのか』 - 個性の意味を問いなおす

ただお題目のように「個性重視」とか「個性を伸ばす」といった言葉を並べても、結局は何を目指せばよいのかわからず迷走してしまう。

○各学問分野へ入門する前準備として読む

以上のように、本書のテーマは基本的には「個性」なのだが、必ずしもこのテーマだけにこだわって読む必要はないと思う。本書に登場する研究者はいずれも各学問の最先端研究者であるから、各章の談話は純粋に知的興味を刺激する。しかも、語り口は非常に平易でわかりやすい。各学問への入門書と言うにはさすがに情報量が足りない気がするが、各学問へ入門する前準備として読むのはありだろう。そういう意味では、進路選択に迷っている中学生・高校生あたりが読んでもいいかもしれない。

もちろん本書のテーマに沿って個性の意味を自分なりに考えるために読んでもいいし、9つの学問分野の「思考方法の違い」を知るために読むというのもいい。本書の読み方はひとつではない。
各人の個性にあった読み方を試してみていただければ幸いである。

日野瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。

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