2015年3月3日 07:00
競争・プライド・モテだけで生きてる男はもうヤバい! - 『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』
その背景として重要なのが、"男性のマザコン化"だ。戦後の家父長制が母と子を家庭に押し込めた結果、日本男性は、性の目覚めをきっかけに母親から自立する機会を奪われてしまった。自分に全力の愛情を注いでくれる一番の理解者である母親と、自分の性欲をその通り満たしてくれるAVさえあれば、他者の女性と関わる必要がなくなり、そのことが男性の"子ども化"に拍車をかけているのではないかと、氏は推察するのだ。
昨今、家庭も大切にして、育児にもきちんと参加する男性は理想的に語られるが、湯山氏には彼らの姿が、妻の言いつけに従順なだけの"聞き分けのいいお兄ちゃん"に見えるという。つまり、"母の息子"から、"妻の息子"に変わっただけだというのだ。この指摘には、男性の新たな生存戦略を見透かされたようで、正直、身震いがした。
だからこそ、大人の男性としての性愛のコードや振る舞いを身に着けるべきだと、湯山氏は主張する。"男らしさ""女らしさ"に囚われる必要はないが、男女の性を"ないこと"にしてしまうのは"子ども化"であり、それもまた不自然な抑圧を生むというのが氏の考えだ。
○自分の中に女性性を育てよう
本書の中で、私がもっとも感銘を受けた場所がある。