女の節目~人生の選択 (12) vol.12「初めての、泥酔」【20歳】
いや、ごめん、うん、ほとんど日常だった。一応ぐぐって、どうやら時効であるらしきことを確認したので、一応謝ってから、そのことを書く。
親の言い訳バリエーションにはいろいろあって、「西洋圏では子供だって飲んでる」というのがその一つだ。これはさすがに子供にでもわかる嘘だった。「聖書の時代には大人も子供も水の代わりに葡萄酒を飲んでいた」もよく聞いた。こちらは大人になってから、ある識者に「当時の葡萄酒は今よりアルコール度数が低く、水割り葡萄ジュースのようなもので……」と呆れられるまで信じていた。
どうしてそうまで我が子に酒を飲ませたいのだろう。子供心に疑問だった。
きっと、お酒を飲むのがあんまり楽しいので、それを自分の子供たちにもおすそ分けしたくてたまらないのだろう、と想像した。うちの両親は食事をしながら酒を飲むのが好きだ。とりたてて美食家でもなければ、高級酒の銘柄に詳しいわけでもないが、おいしいごはんにはおいしいお酒が必須、と考える二人だった。フレンチやイタリアンならワイン、中華なら紹興酒、和食なら日本酒や焼酎、デザートとチーズには食後酒。「私たちの子ならば、きっと酒好きに育つはずだ」とも言われて育った。