山本美月、好きなものを好きと言えなかった過去と恩人との出会い「自我がなかった」
と軸を決めました。
実は最初、図鑑を作ることも候補案として挙がっていたんです。虫が好きなので、昆虫図鑑とかもスタッフさんから提案されていたんですが、そこまで詳しいわけではない。ファッション要素を入れたかったし、アニメが好きなところも出したかったし、マンガも描きたかった。いろいろな好きな要素を取り込んだ結果が「魔法少女」だったんです。
――それだけ熱い思いが詰まった1冊なんですね。
ものづくりがいかに大変なことなのか、身にしみて分かりました。『魔法少女 山本美月』は私の本ですが、この本にはたくさんの人がかかわっているので、その一人ひとりとイメージを共有する必要があります。
例えば私がやりたいことでも、時々「あれ?」って思うことがあって。コストの問題含め、必ず妥協点って存在するんですよね。そういう当たり前のことを知ることができたのもとっても勉強になりました。
良い意味で、人に期待しすぎてはいけない。伝えたことだけ読み取ってもらえるように、自分も用意しなければいけないんだと思います。ちょっと投げ掛けただけで、自分のことを分かってもらえるなんて大間違いですよね。人に伝えることの難しさを学びました。