結婚・出産を機に退職で正解? 生涯所得や保育の現状から考えてみる(前編)
AとBでは、生涯所得の違いは1,910万円との試算結果が出ています。
この差を大きいと見るか小さいと見るかは、それぞれのご判断にゆだねるとして、これを踏まえて下のグラフのケースを見て下さい。
グラフ中の破線(C)は、出産を機会に退職し、その後子どもが6歳になるまで専業主婦を経たのちパートとして復職した場合です。BとCとでは、生涯所得で2億円以上の差となることがわかります。これは単に就業している期間が短いことだけでなく、パート・アルバイトへの再就職の場合、給与水準が低いことや昇給や賞与が見込めないことによるものとされています。
育児等でいったん離職した社員の正社員復帰を推進する企業なども少しずつ増えてはきているものの、現状としては数年のブランクを経て離職前と同じ(もしくはそれ以上の)ポジションに復帰することは難しいと言わざるを得ず、Cの様にパート・アルバイトで復職するパターンが最も多くなっています。
このように金額の違いとして改めて見ると、結婚や出産にあたって「とりあえず辞めてから考えよう」と言うのには少し勇気が必要な気がします。○著者プロフィール
株式会社ここるく 代表取締役 山下真実
わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にする子育てスタイルを提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」