2016年3月16日 17:50
親になって「働く」と向きあう (11) ママたちの議論は有効に機能する? - 「育休プチMBA勉強会」の秘密
前回の連載で紹介した、育休中の母親たちがスムーズな職場復帰に向けて学ぶ「育休プチMBA勉強会」。私は自分の意見をどんどん発する参加者の姿に、衝撃を受けました。というのも、特に乳児と暮らしていると非言語でのコミュニケーション(泣き声から要求を判断する、表情から察する等)が中心になるため、どうしても母親は自分の言葉を失いやすい傾向にあります。そんな状態で、さらには初対面の人どうしが集まって、いきなり議論させるのは実はとてもハードルの高いことだからです。
その視点に立つと、育休プチMBA勉強会では、有効なディスカッションを生み出すための精巧な仕組みがきちんと存在していることに気づきます。そこで本編では、代表者の国保祥子さんへのインタビューを通して、この勉強会がどのように母親たちの学びを最大化しているかについて掘り下げていきたいと思います。
○初対面の母親たちが議論しあえる理由
まずは会の進行役でもある「ファシリテーター」の存在。ファシリテーターは、過去の勉強会参加者の中から立候補し事前にトレーニングを受けた人が、各回1名配置されます。
ファシリテーターの育成は、代表者である国保さんが直接担当する形をとっており「Teaching noteと呼んでいる進行計画を各自作成してもらい、それに対するフィードバックを繰り返してブラッシュアップしていきます」