2015年4月14日 13:09
GTC 2015 - 米国の次世代スパコン「Summit」
ORNLはCenter for Application Readiness (CAAR)という組織を作って、アプリケーションの準備を進めている。
Titanの前のシステムであるJaguarからTitanへの性能向上は、原子レベルで物性をシミュレートするWL-LSMSでは3.8倍の性能向上、燃焼シミュレーションのS3Dは2.2倍、分子シミュレーションのLAMMPSは7.4倍、中性子の移送シミュレーションのDenovoは3.8倍であったが、TitanからSummitでは5倍~10倍の性能向上がターゲットであり、これを実現するアプリケーションの開発がCAARのミッションである。
Summitでは並列に実行されるスレッド数がTitanに比べてずっと多くなるので、並列実行可能なスレッドを増やすようにプログラムを書き換える必要がある。また、HBMを使うなどのハードウェア的なメモリバンド幅の改善もあるが、ソフトウェア側でも、データアクセスの局所性を増して、メモリバンド幅をより有効に利用できるようにプログラムを書きなおすなどの努力が必要となる。
また、ArgonneやNERSCのシステムは同一のアーキテクチャではないので、CAARの開発するソフトウェアは、それらのシステムでも高い性能が得られる作りになっていなければならない。