iPhoneographerの肖像 - 「リサーチを重ねた上、最良なタイミングで撮りにいくことでベストショットが生まれる」宮瀬浩一さん
――シンプルな答えのように思えるが、それは鋭い観察眼に裏打ちされているからだと感じる。宮瀬さんはどのようにしてその観察眼を養っていったのだろう。
宮瀬 昔の思い出話になりますが、父が料理人だったので、小さい頃によく市場に連れていかれたんです。プロが行く市場って、いろんな珍しいものがあるんですよ。いつも行くのを楽しみにしていました。珍しい魚や野菜、果物とか、見たこともない文字のラベルが貼られた缶詰などなど……。時々、味見をさせてもらったり、臭いを嗅いでみたり、こっそり触ってみたりしながら、あちこち立ち寄って廻るんです。そして家に着いたら、市場の絵を描いていました。
そんな影響もあってか、デザインの道に進んだんですけど、デザインの仕事に就いてからは、「観察する」とか「調べる」っていうことがとても大切なものですから。何か興味を持ったことは、徹底的に調べたり観察したりする癖があるみたいです(笑)。「いつ撮りに行く?どう撮る?」は、その自分なりのリサーチから答えを出しているように思います。
――iPhoneをメインカメラで使うのはどうしてなのか?
宮瀬 遡れば、銀塩フィルムの時代からいろいろなカメラを使ってきましたし、今も使ってはいるのですが、最近は結局、持っていかないことが増えてます。