くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (5) 街歩き番組の「偶然立ち寄った」設定に翻弄される商店街』

2015年5月18日 12:00

テレビ・ワンシーン考現学 (5) 街歩き番組の「偶然立ち寄った」設定に翻弄される商店街

彼女はその問題にすっかり参ってはいたものの、取材自体には舞い上がっていたから、新調したワンピースを着込み、バッチリメイクで取材陣を待っていた。自宅へやって来たプロデューサーが開口一番、「もうちょっとやつれた感じでお願いできませんでしょうか」。メイクを落とし、普段着に着替えた彼女、12時を過ぎたわけでもないのに「自宅内シンデレラ」。作り手のイメージに、わざわざ素人が合わせなければいけないのは理不尽ではあるけれど、作り手にとっては、いかにして素人を色めき立たせないかは円滑な取材のポイントになるはず。

○真っ赤な口紅がまぶしすぎる総菜屋のオバちゃん

街歩き番組は当然ながら事前にスタッフが取材申し込みを済ませておき、おおよその取材時間を伝えておくわけだが、番組進行上はあくまでも「偶然やってきた」を保たなくてはいけない。タレント側は慣れたものだが、商店街側はそうはいかない。恰好は普段通りなのに、ココ一番のときに使う真っ赤な口紅がまぶしすぎる総菜屋のオバちゃん。直立不動で入口付近に立ったまま不自然に出迎えてしまった肉屋の主人。
混み合うお昼時に、奥の半個室だけが不自然に空いているのが見えているのに「何人ですか?」

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