くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (5) 街歩き番組の「偶然立ち寄った」設定に翻弄される商店街』

テレビ・ワンシーン考現学 (5) 街歩き番組の「偶然立ち寄った」設定に翻弄される商店街

赤い口紅等で突出した存在が生まれることもあるが、突然の訪問に驚く体制が敷かれている。街歩き取材の経験値が高い武蔵小山商店街、戸越銀座、根津・千駄木辺りは、偶然性の嗜み方が熟練の域。グルメレポートを始めたいタレントはこの辺りで体を慣らしたほうがいいだろう。街歩きの偶然性は、テレビ局側ではなく、商店街側が築き上げてきたのである。

<著者プロフィール<
武田砂鉄
ライター/編集。1982年生まれ。2014年秋、出版社勤務を経てフリーへ。「CINRA.NET」「cakes」「Yahoo!ニュース個人」「beatleg」「TRASH-UP!!」「LITERA」で連載を持ち、雑誌「AERA」「SPA!」「週刊金曜日」「beatleg」「STRANGE DAYS」等で執筆中。
近著に『紋切型社会言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社)がある。

イラスト: 川崎タカオ
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