ところが、このペリクルが一般的には「プラーク」(歯垢)と呼ばれるバイオフィルムという形で成熟してエナメル質表面を覆ってしまい、その中まで汚れが入ってしまうと厄介だ。
「エナメル質は小さなチューブみたいなものの集合体。その"管"の中に汚れが入っていかないようにすることが大切です」。
エナメル質の構造は個人によって異なる。一般的に、加齢と共に"管"の部分が細くなっていくと言われている。エナメル質の奥底に汚れが行きにくくなる反面、一度入ってしまうと沈着しやすくなるというわけだ。
オフィスホワイトニングなどの後はその"管"が空となり、そこに唾液が入ることで歯が白く見えるわけだが、その部分に何らかの有機質が入ってしまうと以前の状態に戻ってしまう。そのため、ホワイトニングの効果とその持続期間には個人差があると今村先生は話す。
今村先生は、「ホワイトニングをする方は増えてきています」としたうえで、「ホワイトニングは永久的なものではありません。食生活、嗜好(しこう)習慣、その後のメンテナンスにより程度は異なりますが、色調の出戻りは起こってしまいます」と解説する。一度の施術で永遠に白い歯を保ち続けることは不可能だからこそ、毎日の生活でできるケアやメンテナンスが必要というわけだ。