女の節目~人生の選択 (18) vol.18「初めての、結婚」【33歳】
素敵なパートナーとの新婚生活も、そりゃあ楽しいことでしょう、でも、たまには昔のみんなといつもと同じように一緒に飲みに行けたりしたら、嬉しいです」
もちろん「是非!」とレスポンスが来るのだが、実際は、なかなか実現しない。あまりに実現率が低いので、誰にでも同じように、ヤケクソで書き送った。これを「男女の間に友情は成立するか」という大きな議論にまで発展させるつもりはないが、やっぱりちょっと寂しい。この話、異性のほうが露骨だけど、同性の友人もまた然り。「20代独身の新郎新婦友人」は、仲良く遊んでいた貴重な友達たちを、(時に顔も名前も知らなかったりする)配偶者たちに、一人ずつ奪われていくような心持ちになった。長い年月かけて大事に大事に開拓してきた私の交友関係の地図が、他人の手で、みるみる書き換えられていく。
新郎の身に、新婦の身に、そして友人である私の身にも、取り返しのつかないことが起きたのだ、と、舞い込んでくる「結婚」報告をそんなふうに捉えるようになったのは、いつ頃からだろうか。彼が、彼女が、私が、どんなに「今までと変わらぬお付き合い」を望んでいようとも、「結婚」という節目がやってきて、魔法の杖を一振りするだけで、大きくその実現が阻まれる。