『俺の家の話』でも注目の前原滉、人生を変えたヒッチハイク「小栗旬さんにはなれない」
悔しい思いと尊敬の思いが入り混じりましたね。
○■新しい芝居の方法を知った
――メッセージ性の強い作品で、「想像すること」の大切さを感じました。
おかしなことがたくさん起きていて、理不尽な町長がいて、でも町長が当たり前だといえば当たり前になってしまう。抗うことにはエネルギーもいるし、当たり前だと思うことのほうが楽だったりする。それってこの作品の外側、僕らの日常でも同じですよね。演じているときも、完成した作品を観た時も同様のメッセージを受け取りました。ただ役者として感じることには違いがありました。
――というと?
役者は余白を埋める仕事だと思っていたんです。
でも今回、言葉のニュアンスとか表情とか、そうしたものを全部抜いても、メッセージは、伝わる方には伝わるんだろうと感じて。こうしたお芝居の方法もあるんだということを知りました。監督の世界観に身を委ねてみて分かったことです。
●「西へ」と書いた紙を掲げて、2週間かけて鹿児島へ
○■“小栗旬”から脱却できたヒッチハイク
――前原さんご自身についても聞かせてください。高校を卒業後、すぐに養成所に入ったそうですが、そこから2015年の事務所所属までに期間があります。