2015年6月22日 11:23
シリコンバレー101 (619) 次期iOS版Safariのコンテンツ・ブロックの狙いはWeb広告つぶしではない
としている。
トラッキングはプライバシーに密接に関わる問題だが、実はパフォーマンスへの影響も大きい。Mozillaの Monica Chew氏がWeb 2.0 Security and Privacyで最高論文賞を受賞した「Tracking Protection in Firefox For Privacy and Performance」によると、トラッキング・プロテクションを有効にしたFirefoxは、同氏が昨年8月にAir Mozillaで公表したデータよりも44%も速くニュースサイトをロードした。それだけ、ニュースサイトに関わるサードパーティのコンテンツが増えているのだ。
トラッキングは広告を提供するための基盤である。Chew氏が5月28日に投稿した「広告:継続維持できるユートピアか?」によると、広告市場の規模は米国だけで500億ドルを超えるが、そのうちの3分の1のクリック・トラフィックは広告詐欺がらみだ。実際にユーザーが接する広告も、半数は存在してもユーザーに意識されていない。つまり、必要を満たしていない巨大なトラフィックがWebには存在する。
ユーザーも邪魔に感じており、昨年だけで広告ブロッカーの利用が70%も増加した。