園子温監督の最新作『ラブ&ピース』はなぜ特撮なのか? サブカルになる以前「空気のように存在した特撮。もう一度仕掛けてみたかった」
ペットショップの前を歩いていた時に、そこにいたカメと目が合っちゃったんです。それで、カメを買って帰ろうかと思ったんですよね。話し相手になってもらおうと。
でもその時、そういうヤツを主人公にしたらどうかとふと思いついたんです。寂しくて、友達もいなくて、話し相手もいないからカメを飼って暮らしているうちに……と。それで、カメは買わずに家に帰ってその台本を書いたんです。
●今のAKBどころじゃなく、テレビも映画もみんな特撮に飲まれていた
――カメがあるきっかけで声を出すことになりますが、その役が大谷育江さんというのもインパクトがありました。アフレコではどのような演出をされたのですか?
特に演出はしていないというか、僕がガイドを付けてあったので、その通りに演じてもらいました。
現場で「ファァー」(カメ役の声で)と長谷川君と会話をしていたのは僕で、それをガイドにしたんです。本当はそのままでも良かったんですけど、どうしても地声が出てきてしまう部分があったので、やはり声優さんに頼もうということになりました。
○サブカルになる以前、空気のように存在した特撮
――今回、園監督初の特撮シーンも注目のポイントです。