2015年7月10日 13:40
金星探査機「あかつき」、7月の軌道修正では初めてトップ側RCSを使用
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月9日、金星探査機「あかつき」に関する記者会見を開催し、7月に実施する軌道修正制御(DV)について説明を行った。あかつきはこれまでに3回の軌道修正制御を実施しており、今回が4回目。これに成功すれば、計画通り12月7日に金星に再会合する軌道に入ることになる。
これまでの経緯などについては、前回記者会見時の記事を参照していただきたい。
【レポート】金星探査機「あかつき」は12月7日に再投入 - 2年以上の科学観測でエクストラサクセスも
2011年11月に実施した3回の軌道修正制御(DV1~3)により、あかつきは現在、2015年11月に金星に最接近する軌道を飛行している。このまま飛行して金星の周回軌道に投入することも可能であるが、この場合、投入時点の太陽摂動(潮汐力)の作用が近金点高度を下げる向きに働くため、周回中に金星に落下してしまう恐れがあった。
このリスクを回避するために実施するのが4回目の軌道修正制御(DV4)である。DV4前の軌道だと、金星軌道の内側から金星に接近する形になるのに対し、DV4後の軌道では、一旦、金星軌道の外側に出て、そこで金星に追いつかれるようになる。