小松菜奈、初の長編映画単独主演! 吉本ばなな初期の名作映画化で「すごくぴったり」
今回「ムーンライト・シャドウ」を映画化するお話を頂いた時、私の旅が原点に戻ったような気持ちでした。吉本さんの文章の普遍性やエモーションをスクリーンに投影する素晴らしい機会を嬉しく思いました。
「ムーンライト・シャドウ」のさつきは、その後吉本さんが生み出した、多くの登場人物の原型だったのではないかと思っています。そのほとんどのキャラクターにさつきの姿を見出すことが出来ます。このさつきを演じるのは、小松菜奈さんしか考えられませんでした。彼女なしでは「ムーンライト・シャドウ」の映画化は不可能でした。演技をするのではなく、小松さんはさつきになったのです。監督の私にとっては、このようなコラボレーションは本当に幸福で豊かな体験でした。
シーンの一つ、ショットの一つを撮るたびに、期待に胸を膨らませて小松さんのお芝居を見守っていました。それは非常に有機的なプロセスでした。彼女はキャラクターについての新たな秘密を打ち明け、あたかもその魂が垣間見えるように、一瞬にして喜びと悲しみの閃光を放つのです。
現在のような世界的規模のパンデミックのさなかに、この作品を皆さんに送り届けることが出来て本当に光栄です。
コロナ禍における撮影は非常に困難でしたが、スタッフやキャスト、私のムーンライトファミリー全員が、この映画に魂とハートを注いでくれました。