湘南ベルマーレが見せた、J1を世界基準に引き上げるための「走り」への決意
ベルマーレのチョウ監督は、グランパス戦前のミーティングでコラムの内容を選手たちに伝えた。
「自分たちがそう言われていることに対して、僕は非常に寂しい思いがした。ただ勝った、負けた、よかった、悪かったという基準でウチを語られるのがすごく嫌だったので」。
○ファーストステージで抱いた忸怩たる思い
ファーストステージを戦いながら、チョウ監督は忸怩(じくじ)たる思いを募らせてきた。
「走らないと勝てないのがブンデスリーガ、走っても勝てないのがJリーグ」。
ドイツを中心にヨーロッパのリーグへの造詣が深く、毎年オフには自ら足を運んで視察してきたなかで、不退転の決意を抱くようになった。
「ブンデスリーガでは、相手チームを含めて走らないことが前提になる試合はまずあり得ない。(まず走るという)前提があるのとないのとでは、(コラムの意味)は全然違ってくる。
前提がないのであれば、日本サッカー界のレベルがまったく低いと言われているのと同じだと感じなければいけない」。例えば史上初となる無敗でファーストステージを制した浦和レッズは、総走行距離が6位、スプリント総数も8位と決して高い数字を示していない。