2015年7月21日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (20) 漫画家の夫になるということ(あるいは、夫婦が暮らすということ)
なので「貴様の妻は頭もろくに洗わないズボラな女というわけではなく、ただ1日1度の洗髪ごときではどうにもならない選ばれしフケ症なだけだ」と反論したくなったが、悲しみの種類が変わるだけなのでやめておいた。
このように、私の生活態度については言いたいことが山ほどあるだろう夫であるが、漫画の仕事に関しては、ほぼ何も言ってきたことがない。今回のテーマは当初述べた通り「夫に私の仕事についてどう思っているか聞く」というものであったが、そんなことを聞いた日には、仕事の話は2秒で終わって、あとはここぞとばかり、私の素行に関する小言になるに決まっている。いくらネタのためとは言え、それは虎児を得ようとして虎のケツの穴に頭を突っ込むぐらいの危険行為なので、今回はなしとしたい。
○漫画家の妻と暮らすと起こる事柄
私が漫画家になったのは、夫と結婚する1年ぐらい前からだ。その時から彼は一貫して「好きなようにやればいい」と言っており、私はそれを真に受け、好きなように漫画を描き、文章を書き、トイレをフリーダムに使い続けてきたが、怒られたのはトイレの使い方だけである。また、「協力できることがあればするが、ないだろう」