高校野球の激戦地神奈川の4回戦で涙を飲んだ進学校のイケメン右腕が描く夢
『やればできる』と言われ続けたことが一番の思い出です」。
新チームへの移行とともに、満を持して背番号「1」が託される。昨秋のベスト4。今春の準優勝と創部初の関東大会出場。そして、堂々の第1シードとして臨んだ最後の夏。練習後は学習塾に週5日通うなど、文武両道を実践してきた3年間を振り返りながら、宮崎はその表情に感無量の思いをにじませた。
○「打撃の伝道師」の赴任に導かれた躍進
相模原の躍進は、同市内の公立中学3校を全国大会へ導き、そのうち2校を3位に導いた佐相監督が体育教諭として赴任した2012年度から幕を開ける。指導方針は、56歳になったいまも変わらない。
「打ち勝たなければ、強豪私立には勝てません」。
中学時代の実績から「打撃の伝道師」と呼ばれ、理論や指導ノウハウをまとめたDVDも販売されている佐相監督の赴任を知り、指導を仰ぎたいと望む中学生が必然的に増えてくる。
神奈川県が全県一学区となっていたこともあり、なかには片道2時間近くもかけて通う生徒もいる。一方で推薦制度や野球クラスもないため、入試の前に夢を断たれた中学生の数も決して少なくない。
陸上部などと共用するグラウンドでは、当然ながらフリー打撃を行えない。